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宗教社会学論選


宗教社会学論選宗教社会学論選

「近代ヨーロッパの文化世界に生を享けた者が普遍史的な諸問題を取扱おうとするばあい、彼は必然的に、そしてそれは当をえたことでもあるが、次のような問題の立て方をするであろう。いったい、どのような諸事情の連鎖が存在したために、他ならぬ西洋という地盤において、またそこにおいてのみ、普遍的な意義と妥当性をもつような発展傾向をとる――と少なくともわれわれは考えたい――文化的諸現象が姿を現わすことになったのか、と。」

マックス・ヴェーバーは、『宗教社会学論集』(全三巻)の冒頭を飾る序言でその視座をこのように設定している。そして数学、音楽、建築、法律、政治などの諸現象の吟味を通して、ついに近代西洋におけるもっとも運命的な力としての「近代資本主義」に焦点を合わせる。ヴェーバーの宗教社会学は、古今東西のさまざまな社会において「近代資本主義」の発展を阻止しあるいは促進した諸要因、とりわけ宗教意識の質の問題、をめぐって展開されるのである。

本書は『宗教社会学論集』のなかから訳者が選んだ方法上・理論上の基軸をなす重要な論文によって構成されている。「人間の行為を直接に支配するものは、利害関心(物質的ならびに観念的な)であって、理念ではない。しかし、『理念』によってつくりだされた『世界像』は、きわめてしばしば転轍手として軌道を決定し、そしてその軌道の上を利害のダイナミックスが人間の行為を推し進めてきたのである。」本書を貫く、ことがらに即した学問的態度、および歴史と人間に対する深い洞察は、読者を世界の新たな把握へと導くであろう。


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